先日より、海上保安庁での映像の漏洩の件で国会を賑わしています。
漏洩した職員は、不起訴になるような流れのようです。
今回の争点は、ユーチューブで公開された映像が秘密にあたるかどうか?
という点です。
考え方は様々でしょうが、企業の営業秘密(トレードシークレット)の場合は、
一般に①秘密情報として管理されていること、②秘密情報であることが
分かる状態にあること、が必要です。
今回、海上保安庁では当該映像について秘密情報として管理していた
形跡はなく、階級や役職を限定せず、複数の職員が閲覧可能な状態に
あったとのことです。
また、一部の国会議員には公開されていたこと。
これらから当該映像は秘密情報に当たらない、という判断があるようです。
一方で営業秘密の定義に基づくのではなく、外交的なカードとして利用する
可能性があった当該映像を公開することで、可能性を失なったという点に
注目し、国益を損なう行為を行なったことについて違法性を見る考え方も
あります。
ここではその争点について論じませんが、驚くべきは海上保安庁の
情報管理能力です。
あまりにもお粗末です。
現在の企業経営では、情報の価値が日々高まっています。
ですから企業は営業秘密をどのように保護し、意図的な漏洩や
漏洩事故に注意しています。
このような時代の流れには到底追い付いていないようです。
今回の件は件として、今後しっかりとした情報管理システムを構築して
もらいたいものです。