博物館登録は、一筋縄で完成できるものではありません。
中長期的な計画が必要になります。
以下に一般的な計画や流れをご案内いたします。
ステップ1:博物館事業開始
個人事業として、あるいは法人事業として博物館事業を開始します。
法人事業の場合は、博物館登録の要件を見据えて一般社団法人や一般財団法人を
設立してスタートすることが望ましいですが、場合によってはNPO法人、あるいは
株式会社や合同会社でもかまいません。
ただし、博物館の登録申請の段階では、所蔵品(資料)の所有は、博物館登録申請を
行なう法人に移転していることが原則とされますので、所有権については十分に注意
しておくことが肝要です。
ステップ2:博物館施設
博物館登録では、博物館の施設に関する要件もあります。
そこでできれば当初から施設要件をクリアできる物件を用意して、準備することが
望ましいといえます。
要件を満たしていなくても博物館登録申請時までに移転するなどする計画として
スタートすることも可能です。
ステップ3:開館
博物館を開館し、実績を上げていく作業になります。
積極的な広告展開、マスメディア戦略などを駆使して、入館者数の増加やビジネス的な
側面からも安定した収益を上げることができるよう事業活動を実践していきます。
ステップ4:資料
博物館に収蔵されている資料、開館後収集した資料などを体系的に整理しておく
必要があります。資料一覧作成や目録の発行など、資料にスポットを当てた活動
を実施していきます。
ステップ5:人材育成
事業が軌道に乗ったら、来るべき登録申請に向けて学芸員の育成が必要になります。
人材採用はコストになりますので、慎重に行う必要がありますが、登録申請時に
学芸員は必須ですので、タイミングを見計らって採用し、育成していく必要があります。
ステップ6:博物館登録申請
ステップ1〜5までの準備が整ってきたらいよいよ博物館登録申請の準備に入ります。
今までのステップがしっかり実践できていれば大きな負担なく、申請を行なうことが
できます。
この時点で個人事業、NPO法人、株式会社で運営している場合は、一般社団法人、
一般財団法人、宗教法人などを設立します。
あとは、必要書類等を収集し、申請となります。
ステップ7:博物館登録
晴れて登録博物館や博物館相当施設になった場合も博物館開業から現在まで
行なってきているステップ3〜ステップ5を継続的に実施すること、今まで以上に良い
資料を収集したり、積極的に他の博物館と連携をとって特別展や企画展などを
開催し、より一般的な認知度の工場を図っていきます。
そして永続的に博物館として、資料の展示・保存・研究を行なっていきます。
以上が大まかな博物館開業から博物館登録までのステップです。