今日はとある事件が起こった日です。
私はもともと大学では歴史学を専攻していて自称歴史家です。
12月12日は私が大学時代より研究テーマとしてきた「西安事変(西安事件)」が
起こった日です。
この事件は1936年12月12日に中国で起こった簡単にいうと適切な表現では
ないかもしれませんがクーデターです。
当時、中国政権を担っていたのは、国民党(今の台湾政権)で共産党は、国民党の
共産党討伐作戦により崩壊寸前でした。
そのような情勢の中、国民党のトップ・蒋介石が西安を静養に訪れていした
ときに、張学良という人物が共産党討伐を止め、当日着々と中国領土に進行して
いた日本と戦うことを求めてクーデターを起こしたというものです。
当時の国民党の政策は、まずは共産党を壊滅に至らしめたのちに日本と対峙する
というものでした。
この政策への転換を武力をもって迫ったわけです。
蒋介石は西安の静養所に監禁されました。
監禁中に張学良や共産党の毛沢東や周恩来などの説得工作があり、最終的に
蒋介石は共産党討伐を一時中止を決め、日本と本格的に対峙することにし、
日中戦争へと進んでいくことになりました。
この西安事変の歴史的意義は、事変により当時瀕死の状態であった共産党が
戦力を整えるチャンスを得ることができ、第二次世界大戦終結後の中国内戦では
戦うに必要な戦力をもって戦うことができたという点にあります。
この内戦により国民党は台湾に逃れ、中国本土は共産党が政権を握ることになり
現在に至ったわけです。
この事変で最も活躍したのは周恩来だと思います。
彼は事変の首謀者である張学良や蒋介石はじめとした国民党幹部、果ては同じ
共産党政権であるかつてのソビエト連邦の幹部達との折衝を行ない、共産党に
とってまたとないチャンスを確実にものにしました。
このような調整力や交渉力は、現在のビジネスにおいても大変重要なものです。
温故知新、今一度歴史的人物の特質すべき点を学んで、ビジネスに活かして
行けたらと思います。